日 時:2014年11月24日(月)13:30~18:30
場 所:パシフィコ横浜会議センター 5階「511+512」
出席者:第18期
大隅典子(18期理事長)、小原雄治(18期副理事長)、中山敬一(18期副理事長)、阿形清和、荒木弘之○(19期理事長、広報幹事兼)、一條秀憲○(第39回年会長兼)、上村 匡○(編集幹事兼)、岡田清孝○、後藤由季子(会計幹事兼)、塩見美喜子○(集会幹事兼)、篠原 彰○、月田早智子、花岡文雄、町田泰則、山本正幸○、渡邊嘉典○、永田恭介(監事)、石野史敏(庶務幹事)、本間美和子(庶務幹事)、金井正美(広報幹事)
(○印は19期継続理事)
第19期
影山龍一郎(第38回年会長兼)、小林武彦、小安重夫(第37回年会長兼)、塩見春彦、眞貝洋一、杉本亜砂子、田畑哲之、仲野 徹、林 茂生、深水昭吉、水島 昇、以上31名
欠席者:第18期
五十嵐和彦、石川冬木、上田泰己、大隅良典○、近藤 滋、相賀裕美子○、佐々木裕之○、高橋淑子○、田中啓二、長田重一○、西田栄介、三浦正幸、山本雅之、郷 通子(監事)、武田洋幸(集会幹事)
(○印は19期継続理事)
第19期
貝淵弘三、粂 昭苑、斎藤通紀、白髭克彦、吉田 稔、吉村昭彦、以上21名
事務局:福田 博(記録)、並木孝憲、山口恵子、金子香奈里
本理事会成立について:
本間美和子庶務幹事より、理事27名、監事1名、幹事3名が出席し、委任状15名(理事)を受理しており、本理事会は細則第4章第8条により成立する旨、報告された。
議事録署名人の選任について:
大隅典子理事長より、議事録署名人として、影山龍一郎理事と杉本亜砂子理事が指名され、承認された。
議 事:
1.報告事項
1)18期執行部報告(理事長、庶務幹事、広報幹事)
①第18期活動報告(全般)
大隅理事長より、総会資料(2頁:2014年度事業報告)に基づき、第18期の活動概要全般につき報告が行われた。
(i)18期(2013年1月)より、旧男女共同参画委員会と旧若手教育問題ワーキンググループ(研究倫理全般)の活動を発展的に統合し、キャリアパス全体を広い視野で見渡す趣旨でキャリアパス委員会を設置した。塩見美喜子キャリアパス委員長ならびに委員の方々のご尽力に感謝したい。
(ii)第18期理事会の大きな課題として、17期より持ち越しとなった研究倫理対応(論文不正問題/東京大学)があった。昨年の神戸年会では6セッションの理事会企画フォーラムを開催し、その全文はすべて学会HPで公開しているが、東京大学からの最終報告はまだ公開されていない状況である。さらに本年はSTAP細胞論文問題が生じ、それへの学会対応もあり、当初予定していた研究倫理活動をすべて終えるには至らなかったが、18期理事長としては、学会としての倫理規程を整備することも検討として19期理事会に申し送りたいと考えている。
(iii)アドボカシーに類することでは、理事長就任時、理事会内に生命倫理について検討する作業部会を考えていたが、他の懸案事項が多く、残念ながら本件については着手することが出来なかった。
(iv)正式には11月26日の総会に諮ることとなるが、今期、新しい会員種別(シニア会員、次世代教育会員)の設定を進めることが出来た。所管庁承認後は、ぜひ積極的に広報してほしい。
②会員現況
本間庶務幹事より、2014年11月10日現在の会員数につき以下のとおりに報告がなされた。
名誉会員 | 1名 | |
正 会 員 | 9,324名 | (海外在住188含む) |
学生会員 | 4,444名 | (海外在住29含む) |
賛助会員 | 28 | |
合 計 | 13,797名 | (前年12月対比、-244) |
③生物科学学会連合について
10月11日、東大で開催された生科連定例会議において、次期(2015-2016)生科連代表に中野明彦氏が選出されたことが本間庶務幹事より報告された(同会議には小林武彦19期理事が理事長代理で出席)。
④ホームページについて
金井正美広報幹事より学会HPの運用状況についての報告が行われた。HPのコンセプト、2013年1月から現在までの月間アクセス統計、さらに昨年2月から運用を開始しているFacebookへの記事投稿状況につき説明がなされた。
⑤キャラクターデザインについて
会報107号(2014.2)、学会HP、一般のデザイン関連公募情報サイトにて学会キャラクターデザインを公募した結果、総計259点の応募があった。36回年会アートを担当された組織委員にも一次審査に協力いただき、会員によるWeb投票(2次審査)を実施し、さらにSSH生徒研究発表会(2014.8)の学会ブースにおいて高校生にも投票をしてもらい、その結果、最終的に2点の学会公式キャラクターを決定した旨、金井広報幹事より報告された。選考委員は次のとおりであった。
<選考委員>大隅理事長、荒木広報幹事、金井広報幹事、本間庶務幹事、篠原生命科学教育担当理事
2)第37回(2014年)年会について
小安重夫第37回年会長より、配布資料に基づき準備状況の報告がなされた。一般演題投稿数はLate-breaking を含め2986題、そのうち290演題はワークショップに採択された。事前参加登録は4588名となり、企業展示は444小間(NBRP、NBDC含む)、バイテクセミナーは13枠となり、順調に準備が進んだ。
本年会は『サイエンスを楽しむ』というコンセプトのもと、皆がデータを前にとことんサイエンスの議論ができる学会を目指し、組織委員一同、準備に当たった。本年会の特色として、以下の点につき詳細説明がなされた。
・ポスターディスカッサー
・シンポジウム(プログラム委員の名前を冠したシンポジウム12企画、テーマ指定によるシンポジウム6企画)
・ワークショップ(公募47企画、テーマ指定3企画、指定演者の人数は1企画につき3名までを基本として、一般演題から290演題を採択)
・海外若手研究者招聘企画(応募者44名に対し42名を採択.欧米豪在住者に15万円アジア在住者に10万円を旅費補助)
・会期短縮(会場費値上げと消費増税による予算への影響、および参加者の便宜を考慮し、会期を3日間とした)
・制作物(システム、印刷物)
各種制作物の仕様を検討・刷新し、参加者の利便性向上に努めた。
3)影山龍一郎第38回年会長より、2015年の年会開催企画案につき報告がなされた。
○BMB2015(第38回日本分子生物学会年会・第88回日本生化学学会大会 合同大会)
○会期:2015年12月1日(火)~4日(金)の4日間
○会場:神戸ポートアイランド
【組織委員】第38回日本分子生物学会年会
年会長 影山龍一郎
プログラム幹事 中山 和久
庶務幹事 仲野 徹
第88回日本生化学会大会
会頭 遠藤斗志也
プログラム幹事 田口 英樹
庶務幹事 吉森 保
【プログラム案】
① プレナリーレクチャー
1日1名で3日間(会期4日目はプレナリーレクチャーは行わない)とし、講演者は海外の研究者2名(うち1名は女性)、国内の研究者1名の予定。
② パイオニアズレクチャー
プレナリーレクチャーと併行して開催。
③ シンポジウム
プログラム委員会企画シンポジウム20テーマを開催予定。
④ ワークショップ
80テーマ程度を会員から公募予定。(*後日、会場を調整し、95テーマを募集する予定)
⑤ 一般演題(口頭発表、ポスター発表)
ポスター発表は3日間。これまでのBMB(合同大会)では、ポスター発表日と一般口頭発表日が連動していたが、本大会ではポスター発表がない会期4日目にも一般口頭発表を行う予定。
⑥ 市民公開講座
年会4日目に開催予定。
⑦ 高校生発表
会期4日目の市民公開講座前の時間帯に開催予定。
⑧ フォーラム、特別企画(創薬シンポジウム、ガチ議論、男女共同参画企画、研究倫理)についても開催する方向で検討中である。
引き続き、『年会発表オンライン要旨のWeb保管・運用』について影山年会長より説明がなされた。分子生物学会は2009年より年会の印刷版要旨集を取りやめ、オンライン要旨システムに切り替えてきた。従来、このオンライン要旨の公開(システム運用)は年会終了後の翌年3月末までを期限としてきたが、第38回年会(BMB2015)においては、オンライン要旨の今後の継続的保管の観点も考慮し、年会要旨Webシステムを翌年3月末で閉鎖せず、そのまま継続的にWeb運用を行っていくことを提案したいとの説明がなされた(これにより、生化学会側のオンライン要旨公開条件とも同条件となる)。現在使用しているシステム会社(アトラス社/第37回年会より採用)においては、年会終了後の翌4月以降、同Webシステムを継続利用してもシステム運用費・サーバ費用がかからないことが報告された。
討議の結果、本提案は承認された。
4)第39回(2016年)年会準備状況
一條秀憲第39回年会長より、2016年の年会開催概要につき報告がなされた。充実したプログラムとなるよう、鋭意準備中である。
○会期:2016年11月30日(水)~12月2日(金)の3日間
○会場:パシフィコ横浜
○組織委員:年会長 一條 秀憲(東大・薬・細胞情報学)
組織委員長 三浦 正幸(東大・薬・遺伝学)
プログラム委員長 村田 茂穂(東大・薬・蛋白質代謝学)
組織委員 新井 洋由(東大・薬・衛生化学)
後藤由季子(東大・薬・分子生物学)
富田 泰輔(東大・薬・臨床薬学)
(*今後、産業界から組織委員1名が参画する予定)
5)理事選挙結果報告
金井選挙管理委員長より第19期理事選挙結果の報告がなされた。また、2014年9月20日に東京で開催された第19期新理事会準備会議において、荒木弘之氏が第19期理事長に選出されたことが報告された。
6)上村匡編集幹事より、配布資料に基づき、学会誌『Genes to Cells』の編集報告が行われた。
① 『Genes to Cells』は、インターネットなどの新たな情報媒体の普及を受け、2015年1月からは電子版のみを刊行することとなった(印刷版の廃止)。これまで冊子版を支えていただいた購読者、執筆者の方々に御礼を申し上げたい。
② 新たな投稿規定が浸透してきた効果もあり、2014年上半期で一時的に減少していた投稿数も夏には持ち直してきた。ただ、安定的な水準を維持するためにも理事各位にはself-citationなどさらなる協力をお願いしたい。幅広い分野の研究者から投稿してもらえるよう、実験や理論、方法論等の論文も歓迎している旨、引き続き、周知を続けていきたい。
③ 論文掲載時にオープンアクセスとなる「Online Open」については、2012年9月からは総説にかぎりその費用を学会が負担している。1論文あたり3,000ドルの費用がかかるため、年間何報程度の総説を受け入れるかなどに留意しながら運用していきたい。
④ 冊子版は廃止となるが、2011年に一新した本誌の表紙デザインは、2015年も制作を継続する。伝統絵画のなかに生命科学の遊び心を加えたこのデザインは、丸4年となる今日でも高い評価を得ている。本年会においても、本誌の表紙ができるまでの裏話を盛り込んだタペストリー36作品(3年分)を展示するので、ぜひご覧頂きたい。
7)各種学術賞、研究助成候補への学会推薦状況について
① 一條秀憲賞推薦委員長より、2014年に本学会より推薦した各種学術賞について報告がなされた。引き続き、月田早智子研究助成選考委員長より、2014年の研究助成推薦状況と結果等について報告が行われた。
② 各種学術賞への学会推薦に関する取扱いについて
一條賞推薦委員長より各種学術賞の現状の本学会推薦手続き(推薦審査の手順)について説明がなされた。現在、応募要項では自薦・他薦いずれでも可となっているが(*実際の応募は自薦が多い)、この度、委員のお一人より、専門外の場合は審査が困難であるケースもあり、第3者からの推薦にルールを切り替えたらどうか(もしくは第3者からの推薦書を添付してもらうことを条件にしたらどうか)とのコメントを受けたことが報告された。対応(案)としては、以下のような方法が考えられる。
(i)自薦・他薦いずれでも応募可能であるが、自薦の場合には、本学会理事長から各財団宛ての推薦書となるので、その旨を考慮して推薦書類を作成されるよう応募要項(学会HP等)に付記する。(←書類が一人称で作成されているケースへの対応)
(ii)自薦の場合には、第3者からの推薦書添付を応募条件とする。
(iii)原則として、会員による他薦を応募条件とする。
自由討論に入り、出席者より以下の意見が提出された。
・他薦を必須とすることはかなり抑制的になるのではないか。
・現状でも応募数はあまり多くないので学会推薦枠を積極的に利用したほうがよい。
・従来の取り扱い方法のままでよい。
・他薦にしても、現実的には推薦書の内容は被推薦者本人が作成し、推薦者が手直ししている程度のケースが多いのではないか。
討議の結果、賞推薦委員会内規の変更に着手することには至らず、基本的に現行のままとすることとなった。本日の議論の内容は、一條委員長から次期の相賀裕美子19期賞推薦委員長に報告し、来年度からの運用ならびに応募要項の記載等について、次期委員長に検討いただき、必要があればメール審議にて再度、確認を取ることとなった(*後日、新旧委員長にてやりとりがあり、結論として、応募要項の記載文章を変更することはせず、必要に応じて推薦書類の書き直しを依頼するなど、委員会内の運用レベルで個別対応により対処することとなった)。
8)キャリアパス委員会報告
① 塩見美喜子キャリアパス委員長より、配付資料に基づき、2014年の本委員会活動についての説明がなされるとともに、本年会におけるキャリアパス委員会主催の2件のセミナーへ、理事各位の積極的な参加依頼があった。
・年会の演題投稿者における属性調査
・年会託児室利用者へのアンケート
・大規模アンケート回答結果の解析
・男女共同参画学協会連絡会への参画
・「女子中高生夏の学校~科学・技術者のたまごたちへ~」実験・実習参加協力
② 「第3回日本分子生物学会男女共同参画実態調査報告書」(2014年11月)と要望書について
塩見キャリアパス委員長より、2012年に男女共同参画学協会連絡会が行った大規模アンケート(総回答数16,314名)から分子生物学会会員データを抽出し、本委員会において独自の分析を行い、本報告書および要望書作成に至った経緯につき報告がなされた。さらに、「男女共同参画のさらなる推進を目指して~女性研究者リーダーシップ養成と充実したライフイベント環境整備に関する要望~」(平成26年)と題する要望書については、大隅理事長と塩見委員長にて、12月2日に文科省科学技術・学術政策局の川上局長および同省生涯学習局の河村局長に提出予定である旨報告があった。
9)研究倫理委員会報告
① 小原雄治研究倫理委員長より、昨年の神戸年会時には6セッションにわたる研究倫理フォーラムを開催し、その内容は全文記録として3月にHPに掲載されたことが報告された。東京大学からの中間報告「東京大学分子細胞生物学研究所・旧加藤研究室における論文不正に関する調査報告(第一次)」は本年8月1日に発表されたところであるが、その後の進展・報告がなく、学会としてのアクションが遅れてしまっている点につきお詫びしたい。
引き続き、大隅理事長よりこの間に起きた新たな論文不正問題が社会を巻き込んだ状況になったことの概要、さらにSTAP細胞論文問題の他にも研究不正問題が発生していたこともあり、学会対応に苦慮したこと、この半年間の経緯等につき以下のように説明がなされた。8月26日付で文科省の研究不正ガイドラインが決定され、来年4月から実施されるので、研究倫理問題は新たなフェーズに入ったように考えている。ガイドラインには研究者のみならず研究機関の取るべき責任についても明示されており、大学等ではすでにその対応についても検討されていることと思われる。学会がどのように研究の公正性を保つための活動をするのかについて、さらなる検討が重要であろうと認識しているが、18期理事会として倫理問題全体の総括を完了することは難しく、19期理事会への申し送りとさせていただきたい。
続いて、篠原彰理事(18期研究倫理委員)より、提言資料(2013年分子生物学会年会フォーラムに基づく、研究公正性を守るための提言)が配付され、詳細説明がなされた。同提言は拡大研究倫理委員会(2014.4.28と2014.6.16に開催)にて検討を重ねてきた資料ではあるが、その後、8月に文科省からガイドラインが発表されたこともあり、本提言の検討は一旦、保留扱いとなっていた。
研究倫理問題全般に関して、出席者より様々な意見が活発に提出されたが、学会として取るべき対応、情報発信の仕方、今後の活動の方向性、等々につき、出席理事による意見の一致とはならなかったが、引き続き、明日開催のフォーラムにて前向きな議論を続けることが確認された。
② 学会企画 研究倫理フォーラム『生命科学研究の公正性を保つために』
本年は年会初日の夜、フォーラム枠の中で標記セッションを以下のように開催することが大隅理事長より報告され、理事各位への参加依頼があった。本フォーラムも後日、全文記録をHP公開することが了承された。
---------<11月25日 研究倫理フォーラム・プログラム>----------------
1.開催趣旨説明(大隅理事長)
2.研究倫理問題に関するこれまでの経緯など(篠原理事)
3.文部科学省 策定(2014.8.26)
「研究活動における不正行為への対応等に関するガイドライン」について
中村征樹 氏(大阪大学 全学教育推進機構)
4.フロアからのフリーディスカッション
5.まとめ
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10)富澤基金・基金運営委員会報告
① 第4回富澤基金による研究助成の審査経過・結果報告
山本正幸基金運営委員長より、富澤基金による第4回(2014年)日本分子生物学会 若手研究助成の結果につき、その概要が報告された。
(i)第4回応募の受付期間: 2014年1月10日~2月10日
(ii)応募総数:88名(男性66名、女性22名 *性別は名前からの推定による)
(iii)選考:
・第1次審査:書類審査(2月21日~3月17日)
・第2次審査:9名を対象に5月10日にヒアリングを実施(*ヒアリング対象者として10名が選ばれたが、うち1名は別途研究費が得られたとの理由で辞退)
(iv)審査経過と第4回助成対象者:
審査経過詳細については、会報108号(2014年6月号)に結果報告を掲載済みであるので参照されたい。第4回若手研究助成の助成対象者は以下4名である。
○木下奈都子(筑波大学生命環境系/申請時の所属はThe Rockefeller University)
「環境ストレス下において負の因子として機能している長鎖非コードRNA、NPC60がどのように正の鍵因子であるbZIP型転写因子ABI5を制御しているのか、その分子機構の解明」
○濱田‐川口 典子(東北大学大学院生命科学研究科)
「Btk29A非受容体型チロシンキナーゼによる卵巣腫瘍抑制機構の解明」
○水本公大(Stanford University /2015年1月よりThe University of British Columbiaに赴任予定)
「動物の動きを規定する分子基盤の解明」
○宮成悠介(自然科学研究機構 岡崎統合バイオサイエンスセンター)
「核内ゲノム動態による転写制御機構の理解」
② 若手研究助成制度ならびに基金運営委員会の運営に関する規程の一部改正について
山本基金運営委員長より、第1期の委員任期が本年12月31日で任期終了となることが説明され、第2期以降の任期を含めた規程改正案が配付され、承認された。
≪改正箇所は下線部分のとおり≫
■若手研究助成制度ならびに基金運営委員会の運営に関する規程
3.基金運営委員会の設置、任務、構成
3)基金運営委員会委員の任期は、第2期については2015年1月1日~2017年12月31日とし、第3期については2018年1月1日~2020年12月31日とする。委員については、半数を超えない限りで再任を認める。
■富澤基金若手研究助成 募集要項
3. 研究助成金の使途、ならびに会計処理
2)本助成金は直接研究費以外にも自由度をもって使用できるものとする。そのために、原則、研究助成金は一時所得扱いとし、学会が源泉徴収(50万円を超える、250万円につき10%(※ +若干の復興特別所得税が加算される)を行う。
6.研究成果および会計報告
1)本助成金受領者は、助成金を受領した翌々年の5月末までに、研究成果と会計報告の概要を、「日本分子生物学会 若手研究助成 富澤純一・桂子 基金」基金運営委員会あてに提出する。様式は問わない(一時所得扱いの受領者は、会計報告に際して、領収書の提出は不要。ただし使途の一覧を提出すること。研究成果報告書には、論文発表・学会発表等の情報を含めて提出すること)。
2)本助成金受領者は、1)の研究成果と会計報告を提出した年に開催される年会において、研究成果発表(会期中、専用コーナーでのポスター掲示)を行うものとする。
③ 第2期基金運営委員会の構成について
荒木弘之19期理事長より、山本正幸氏に第2期基金運営委員長に留任頂きたいとの要望がなされ、さらに荒木19期理事長、山本理事より第2期基金運営委員会構成案が配付され、原案どおりに承認された。
■第2期 富澤基金・基金運営委員会(任期2015.1.1~2017.12.31)
山本正幸(委員長/留任)、小原雄治(副委員長)、上村 匡、大杉美穂、近藤 滋(留任)、塩見美喜子(留任)、東山哲也、荒木弘之(職指定委員)
11)第3回(2015年)国際会議支援選考結果報告
岡田清孝国際会議支援選考委員(西田栄介選考委員長代理)より、第3回目となる国際会議支援については、3件の応募があり、選考委員会における慎重な審査を経て、理事長承認のもと、以下の3会議(計700万円)が採択されたことが報告された。
≪会議名称≫
(和文)第8回国際分裂酵母会議
(英文)The 8th International Fission Yeast Meeting
開催責任者:平岡 泰(大阪大学大学院生命機能研究科・教授)
会 期:2015年6月21日(日)~26日(金)
会 場:生田神社会館(神戸市)
助成金額:270万円
≪会議名称≫
(和文)トランスポゾン転移とゲノム編集技術に関する国際会議 2015
(英文)Conference on Transposition and Genome Engineering 2015
開催責任者:竹田 潤二(大阪大学大学院医学系研究科・教授)
会 期:2015年11月17日(火)~20日(金)
会 場:奈良県新公会堂(奈良市)
助成金額:230万円
≪会議名称≫
(和文)がん免疫療法・マクロファージ国際会議 2015
(英文)International Conference of Cancer Immunotherapy and Macrophages 2015
開催責任者:松島 綱治(東京大学大学院医学系研究科・教授)
会 期:2015年7月9日(木)~11日(土)
会 場:東京大学伊藤国際学術研究センター内伊藤謝恩ホール
助成金額:200万円
12)生命科学教育について
篠原彰生命科学教育担当理事より高校などへの講師派遣の状況(2013年6月から現在までの実績)、および、年会における高校生発表の状況(過去2回の実績と第37回年会の発表予定)について報告がなされた。
生命科学教育事業については、夏に開催されている『SSH生徒研究発表会』に学会ブ―スを出展し、高校生や引率の先生に本学会の活動内容を紹介しているが、来年の生徒研究発表会では学会キャラクターデザインを用いたグッズ配付等を行い、より積極的な広報活動に努めたい旨の説明がなされた。
13)その他
本間庶務幹事より、第37回通常総会の議事進行と報告担当者の確認、さらに第4回富澤基金贈呈式の式次第の確認がなされた。
2.審議事項
1)平成26年度(2014年度)決算承認の件
後藤由季子会計幹事より平成26年度(2014年度)会計の収支について説明がなされた。2014年度会計は、①本部からの36回年会特別支援支出(海外ポスドク旅費補助)、②2013神戸年会時の理事会企画フォーラム(6セッション開催によるホテル会場費、機材費、企画準備のための拡大研究倫理委員会会議費用)の2点の特別予算が組み込まれ、予算そのものが1,800万円強の赤字編成であったが、それに対して実際の決算は、前年度繰越金1億9,441万円に対し次年度繰越金1億8,676万円となり、赤字幅を△764万円に収めることが出来た。
赤字幅を抑えることが出来た理由の1つは、『Genes to Cells』の出版社からの総利益折半の精算収入である。精算時の為替レート(円安効果)の関係もあり、約1,765万円がProfit Shareとして入金された。昨年から会員数が減少傾向にあるが、会費収入については納入率が若干上がり、予算を上回ることが出来た。支出に関しては、科目によって多少の増減はあるものの事業費、管理費共に予算に近い額となっている。引き続き、「日本分子生物学会 若手研究助成 富澤純一・桂子 基金会計」についても報告が行われた。
本年度は赤字決算であったため、消費税、地方税は合わせて約56万円、税務処理については顧問契約を交わしている税務専門家の指示のもと、収益事業部分の法人確定申告を行ったことが報告された。
本決算は、10月24日に宮城秀敏公認会計士の監査を受け、さらに同年11月11日に郷通子監事、永田恭介監事による会計監査を受け、配付資料のとおりの監査報告書が提示された。
続いて、永田監事より11月11日に実施した監査の内容につき報告がなされた。監査報告書に記載したとおり、学会が保有しているすべての金融機関の通帳類ならびに残高証明書を監事両名にて確認した。帳簿ならびに会計証憑類も正確に整えられており、同決算を認めたことが報告された。
審議の結果、本決算は理事会で承認され、第37回通常総会に諮られることとなった。
なお、本決算の監査報告とは別に、永田監事より次の付帯意見が提出され、19期理事会に申し送られることとなった。
(ⅰ)分子生物学会の会計は、従来、年会収支とGTC発行収支による剰余金で、他の事業の経費を捻出してきた側面がある。ここ数年の年会決算の状況をみると、実質、赤字基調であるので今後の年会収支の改善を検討すべきである。
(ⅱ)繰越金のうちの何割かは、長期国債などの運用も含めた効率的な方法を取られたらどうかとの意見が提出され、事務局にて会計事務所の専門家に助言を求めることとなった。
(ⅲ)事業全般について、理事会は、是非、一会員の視点に立った学会運営・事業企画を心がけてほしい。
2)平成27年度(2015年度)活動予算書承認の件
後藤会計幹事より平成27年度(2015年度)から予算資料に大幅な変更があることが報告された。
分子生物学会は平成19年(2007年)6月に所轄庁である東京都より、特定非営利活動法人の認証決定を受けている。特定非営利活動法人いわゆるNPO法人であるが、会計処理の方法としては、一般的な非営利法人つまり公益法人会計基準を基本として行ってきた。これはNPO法人には、従来、NPO法人に限定された専用会計基準がなかったためであり、所轄庁には、毎年(事業年度終了後3ケ月以内、つまり分子生物学会の場合は毎年12月末までに)、事業報告書と一緒に、公益法人会計ルールに基づく会計報告書を提出することで滞りない事業報告としてきた旨、事務局より報告を受けている。
その後、平成22年(2010年)に、NPO法人会計基準協議会より「NPO法人会計基準(2010年7月20日 2011年11月20日一部改正)」が示され、順次、内閣府と全国の所轄庁(都道府県)へ提出すべき決算(活動計算書)・予算については、この形式に切り替えていくことが決まっている。NPO会計方式に切り替えるに当たり、執行猶予の数年があったが、このたび、本学会顧問の会計事務所より、次年度予算よりNPO法人会計基準に切り替えるべき時期に来ているとの指導を受け、27年度予算より新しい会計書式に切り替えることとなった。
<主な変更点>
・従来の、収入の部⇒経常収益
・従来の、支出の部⇒経常費用とし、大きく、1事業費と2管理費に分ける。
・事務局職員の人件費は、その関わる業務によって、上記1、2に案分する。
・新会計方式では個々の業務の収支が分からないので、「活動予算 事業の内訳」を作成し、補足資料とする。
・年会収支については、年会科目でひとくくりにするのではなく、事業費内訳の各科目に振り分ける。
・各経費の計上については、学会固有の科目名称の設置・科目振り分けをせず、NPO法人会計基準に基づく形で該当科目から支出する。
新しい予算書は一般会員にはやや分かりにくい書式であるので、今回は参考資料として、旧書式による予算資料も作成・掲示させていただくこととした。
本年4月からの消費税値上げに伴い各種経費も増額になっており、各支出額を考慮し、約531万円赤字の固めの予算を組んでいる旨の説明がなされた。ただし、全体収支で黒字が出ない場合は租税公課が減ること、37回年会の残額精算(剰余金)を考慮していないので、年会で多少黒字が出た場合は、全体収支はプラス・マイナス0になる可能性があると考えている。
27年度活動予算書についての詳細な説明が行われ、審議の結果、同予算書は理事会で承認され、第37回通常総会に諮られることとなった。
3)定款および細則改正の件
大隅理事長より、本件は2014年4月に18期理事会持ち回り審議にてすでに承認されているが、本理事会において総会に諮るべき、その定款条文の文面について最終確認をお願いしたい旨説明がなされた。37回通常総会に諮る定款変更の内容は以下のとおりである。
①シニア会員の新設
定年を迎えられた65歳以上の正会員(会員歴通算20年以上)で常勤職に就かれていない方を対象に、年度会費を学生会員と同額(3,000円)とし、さらに年会には無料で参加できるといった新しい会員種別『シニア会員』を新設する。運用は新年度からの適用を予定。
【申請手続と前提条件】
1)申請の時点で65歳以上かつ会員歴通算20年以上の正会員であること
2)常勤職に就いていないこと
3)申請する年度までの会費が完納されていること
(シニア会員申請書は、学会HPに設置予定)
【内容】
1)年度会費が3,000円となる。
2)年会に無料で参加できる。
3)学会誌「Genes to Cells」電子版を、最新号から引き続き無料で閲覧できる。
4)総会での議決権がある。
5)理事選挙の選挙権がある。
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②次世代教育会員の新設
小・中・高等学校の教員またはこれに準ずる方を対象とした『次世代教育会員』を新設する。同会員は、入会金・年度会費は正会員と同額であるが、年会に無料で参加できる。高等専門学校の教員の方も対象に含まれる。
1)新規入会の際には入会金1,000円を申し受ける。
2)年度会費は正会員と同額(6,500円)。
3)年会に無料で参加できる。
4)年会で一般演題の発表ができる。
5)学会誌「Genes to Cells」電子版を、最新号から引き続き無料で閲覧できる。
6)総会での議決権がある。
7)理事選挙の選挙権と被選挙権がある。
(正会員からの会員種別変更については、次世代教育会員変更届を学会HPに設置予定)
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③休会制度について
本学会には今まで休会の制度がなく、海外留学の際は海外在住先に刊行物等を送付し会員を継続いただくか、もしくは一旦退会手続きをしてもらい帰国後に再入会いただく、といった対応を取ってきた。今後は海外留学のみならず、出産・育児等を理由に学会活動を一定のあいだ休止される会員をも考慮した休会制度(休会期間中の会費の免除)を総会に諮る予定である。
【内容】
海外留学(ポスドクを含む)や出産・育児等を理由に、学会活動を一定のあいだ休止される正会員・学生会員を対象とした休会制度の設置。休会期間中は学会年度会費が免除となる。
【休会期間】
学会の会計年度に合わせ、休会期間は年度単位(10月1日~翌年9月30日)とし、申請した次年度から最長で3年度まで適用することが可能。
【申請手続と前提条件】
1)正会員あるいは学生会員であること
2)申請する年度までの会費が完納されていること
(休会届は学会HPに設置予定)
【留意点】
・休会中は以下の会員資格が停止される。
1)会報・年会プログラム集、会員メールの受取
2)正会員の場合は、総会での議決権
3)理事選挙の選挙権と被選挙権
4)会員区分での年会参加
5)年会における一般演題の発表
・休会を解消して復会する場合は、学会事務局にその旨を連絡のうえ、当該年度の会費を納入いただく。年度の途中で復会する場合も当該年度の会費を納めていただく必要がある。
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④定款変更 第11条 除名について
今後、重大な事由により会員の除名を行うことが生じた場合に備え、以下の定款変更を総会に諮る予定である。
≪特定非営利活動法人 日本分子生物学会 定款≫ 第11条(除名)
※下線部分が変更点.
□-- 現行 --
第11条 会員が次の各号の一に該当する場合には、総会の議決により、これを除名することができる。
(1) この定款に違反したとき。
(2) この法人の名誉を傷つけ、又は目的に反する行為をしたとき。
2 前項の規定により会員を除名しようとする場合は、議決の前に当該会員に弁明の機会を与えなければならない。
□ -- 変更案 --
第11条 会員が次の各号の一に該当する場合には、理事会の議決により、これを除名することができる。
以下同文
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⑤NPO法改正に伴う条文の一部文言の修正について
法律改正に伴う一部文言の修正箇所は、新旧対照表(下線部分)を参照されたい。
<留意事項>
(※37回総会で承認された後、本会の法人所管である東京都(都知事)の認証を得るのに約4ヶ月を要する。よって、正式な定款変更ならびに新しい制度の運用開始は2015年4月頃を予定している。定款変更の文言等を含め、専門家(行政書士)の事前確認を取っている)
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■以下が定款と細則の新旧対照表である。
(変更後の案) |
(現行の定款) |
(種 別) |
(種 別) |
(入 会) |
(入 会) |
(休会及び退会) |
(退会) |
(除 名) |
(除 名) |
(選任等) |
(選任等) |
(職 務) |
(職 務) |
(総会の構成) |
(総会の構成) |
(総会の権能) |
(総会の権能) |
(総会の開催) |
(総会の開催) |
(総会の定足数) |
(総会の定足数) |
(総会の議決) |
(総会の議決) |
(総会での表決権等) |
(総会での表決権等) |
(総会の議事録) |
(総会の議事録) |
(理事会の招集) |
(理事会の招集) |
(理事会での表決権等) |
(理事会での表決権等) |
(理事会の議事録) |
(理事会の議事録) |
(構 成) |
(構 成) |
(事業報告及び決算) |
(事業報告及び決算) |
(事業計画及び予算) |
(事業計画及び予算) |
(削除)(*NPO法人会計基準では予備費が設置できません) |
(予備費) |
(臨機の措置) |
(臨機の措置) |
(定款の変更) |
(定款の変更) |
(解 散) |
(解 散) |
(残余財産の帰属) |
(残余財産の帰属) |
(合 併) |
(合 併) |
(公告の方法) |
(公告の方法) |
(事務局の設置) |
(事務局の設置) |
(職員の任免) |
(職員の任免) |
(組織及び運営) |
(組織及び運営) |
(細則) |
(細則) |
附 則 |
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附 則 |
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(変更後の案) |
(現行の細則) |
第14条 この法人の正会員、名誉会員、シニア会員、次世代教育会員並びに学生会員は、GENES TO CELLSのオンライン版を無償で購読できるものとする。 |
第14条 この法人の正会員、名誉会員並びに学生会員は、GENES TO CELLSのオンライン版を無償で購読できるものとする。 |
附 則 |
|
審議の結果、定款変更の条文は理事会で確認・承認され、第37回通常総会に諮られることとなった。細則については本理事会に於いて承認された(定款が変更された時点で、細則は運用される)。
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4)第19期副理事長の選任
本間庶務幹事より副理事長選出に関する細則の説明がなされ、その後、第19期出席理事により投票が行われ、副理事長として、佐々木裕之氏と塩見美喜子氏が選任された。
5)第19期監事の選任
荒木第19期理事長から、第19期の監事として辻本賀英会員、花岡文雄会員が推薦され、承認された。監事については第37回通常総会で承認を得た後選任される。
6)第19期理事会の体制、各幹事、各種委員会委員長・委員の委嘱について
荒木第19期理事長より、役員・幹事・各委員会名簿(案)が配付され、調整中であるキャリアパス委員会構成を除いて、原案どおりに承認された。19期のキャリアパス委員会は12月中には決定できる予定である。将来計画検討委員会については、今後しかるべき時期に立ち上げていく予定であることが説明された。
7)第18期から第19期への申し送り(全般)について
出席者による自由討論に入り、種々の意見が提出された。
・女性理事枠(細則 第2章 役員の選出5)時限特別措置)の期限が切れるので、次回選挙の前に今後の方針を決定する必要がある。定数(女性理事枠の%)を上げる、特別措置を撤廃したほうがよい等、様々な意見が提出された。
・学会事業の個々の収支について、それぞれ点検が必要な時期に来ているのではないだろうか。将来計画検討委員会で取り上げてもらうのも一案ではないかとの意見が出された。
・研究倫理問題への今後の学会対応に関しては、様々な意見が活発に提出された。
・18期の研究倫理活動をぜひとも19期に継承してもらいたい。ここ数年の倫理活動に関する総括、必要があれば研究倫理に関する再度の会員アンケートなども実施してほしい。
・学会としての研究倫理規程、行動規範、利益相反の規則、等々についても検討すべき時期に来ているのではないか。
なお、本会議での自由討論とは別に、あらためて、大隅18期理事長から荒木次期理事長あてに文書にて「理事長申し送り事項」を引き継ぐ予定であることが報告された。
上記、第18期・第19期 合同理事会の議決および確認事項を明確にするため、この議事録を作成し、議事録署名人はここに記名押印する。
2014年11月24日
特定非営利活動法人 日本分子生物学会 第18期・第19期 合同理事会
議長 大 隅 典 子
議事録署名人 影 山 龍一郎
議事録署名人 杉 本 亜砂子