特定非営利活動法人 日本分子生物学会 第16期第3回理事会記録

日 時:2009年12月8日(火)15:00~19:00

場 所:パシフィコ横浜 会議センター 5階「511+512」

出席者:岡田清孝(理事長)、町田泰則(副理事長)、荒木弘之(第32回副年会長兼)、上村 匡(編集幹事兼)、大隅良典、加藤茂明(広報幹事兼)、小安重夫、篠崎一雄、篠原 彰、白髭克彦、杉本亜砂子、田畑哲之、辻本賀英、永田恭介、正井久雄、升方久夫、水島 昇、山中伸弥、山本正幸、渡邊嘉典、小川智子(監事)、石野史敏(庶務幹事)、小林武彦(集会幹事)、宮園浩平(集会幹事)、小原雄治(2009年会長)、以上25名

欠席者:鍋島陽一(副理事長)、相沢慎一、饗場弘二、審良静男、貝淵弘三、影山龍一郎、片山 勉、塩見春彦(会計幹事兼)、長田重一、柳田充弘(Genes to Cells編集長兼)、吉川 寛(監事)、谷口維紹(第33回年会長)、花岡文雄(第34回年会長)大隅典子(2010春季シンポジウム世話人)、以上14名

事務局:福田 博(記録)、並木孝憲、丸田夏子

関係議題参加者:峰崎 愛(第32回年会事務局より)

 

本理事会成立について:
石野史敏庶務幹事より、理事20名、監事1名、幹事3名、議題関係会員1名が出席し、委任状11名(理事10、監事1)を受理しており、本理事会は細則第4章第8条により成立する旨、報告された。
 

議事録署名人の選任について:
岡田清孝理事長より、議事録署名人として、水島 昇理事と渡邊嘉典理事が指名され、承認された。
 

議 事:
議事に先立ち、岡田理事長より第7期会長 三浦謹一郎会員の訃報(本年9月21日ご逝去)につき報告がなされ、黙祷を奉げた。
 

1.報告事項

1)庶務報告(理事長報告、庶務幹事報告)

  ・会員現況
石野史敏庶務幹事より、2009年12月1日現在の会員数につき以下のとおりに報告がなされた。

名誉会員1名
正 会 員10001名(海外在住含む)
学生会員5206名(海外在住含む)
賛助会員35社  
合 計15243名(前年12月対比、-57)

   昨年同時期に比べ57の減であるが、年会会期中に、例年100名ほどの学生会員の入会があるので、会員数としては概ね横ばいである。

  ・第16期理事会の任期について
岡田理事長より本理事会の任期について以下の説明があり、承認された。
― 第16期理事会任期 ―
<当初の考え方> 事業年度/会計年度に合わせ、役員の任期は10月1日~翌年9月30日としていた。
●第16期理事会の任期:2008年10月1日~2010年9月30日(2年間)
<経緯> 第15期理事会において、2007年6月に法人に移行(東京都の認証)、その後、2008年10月より第16期理事会へ移行した。理事は投票により選任され、監事は2008年12月の総会にて選任・承認された(定款 第14条より)。総会記録、会計報告、新役員の住民票等を一式添付のうえ、東京都への事務手続きを経て、2009年1月15日付にて役員登記、さらに決算書類に準拠し資産総額の登記が終了した。

   (※ 東京都の考え方/今後の本会の対応・取り扱いにつき、行政書士に相談し、以下の説明を受けた)
『分子生物学会は、通常総会の開催時期が12月であるので、今後も2年に1度の理事会交代の際の実質的な登記変更は1月半ばとなる。定款にある理事の任期2年は、登記から2年を越えてはならない.といった法務上の解釈となるので、第16期理事会の実質的な担当任期を2010年12月末日までとし(3カ月の任期延長)、第17期理事会任期を2011年1月1日~2012年12月31日とすることが望ましい.したがって今後、役員の任期は1月1日~翌年12月31日の2年間となる.これは現定款の運用範囲内での適用であり、定款変更は必要としない.』

   <特別移行措置> 役員変更登記の法務手続きに合わせるための特別措置として、第16期理事会の任期を3ヶ月延長して、
●第16期理事会の任期(特別移行措置):2008年10月1日~2010年12月31日
とすることが承認された。

  ・科学技術予算に関する緊急対応について
 行政刷新会議の事業仕分け評価への理事会対応であるが、偶然にも11月21日に将来計画検討委員会開催があり、執行部は同委員会の協力を得て、このたびの緊急案件に対処することとなった旨、岡田理事長より報告があった。
 11月半ばに学会単独(理事長と第32回年会長の連名にて)および多くの学協会との連名の形で、事業仕分けに対する意見表明(要望書提出)を行った。さらに、11月25日には会員一斉メール配信を行い(アンケート期限:11月29日)、会員からの意見を集めた。石野庶務幹事、篠原 彰将来計画検討委員、杉本亜砂子同委員の3氏にアンケート編集担当の作業を依頼し、提出された意見の事業番号別仕分け・編集作業を行なった。全アンケート記録は、12月4日に学会HPに掲載されているが、寄せられた意見の量(印刷ページ)の関係から、ほぼ1/3を選ばせてもらい、印刷版資料を作成した(冊子資料:緊急フォーラム当日配布)。
 引き続き、岡田理事長より、緊急フォーラムの開催準備状況の説明がなされた。
○科学技術予算に関する緊急フォーラム
「事業仕分けから日本の未来の科学を考える」
日時:12月9日(水)19:00~20:30
会場:第32回年会/第3会場(パシフィコ横浜 会議センター3階302)
企画概要/趣旨:
 本年11月に開催された新政府の行政刷新委員会による事業仕分けは、結果的に、“学術・科学技術”の分野に深い爪痕を残した。日本分子生物学会は単独および学会連合などを通じて、事業仕分けに対する反対アピールを出してきたが、事態は未だ不透明である。問題はいくつかあるが、新政府が科学政策に対する明確な方針を示さないまま事業仕分けを行なったこと、仕分け作業自体も民主主義国家で行なわれたことが信じられないほど粗雑で乱暴なものであったことにあると思われる。
 事業仕分けにおける“討論バトル”自体は、一般国民に高い好感度でもって評価されたと聞いているが、しかし、我々が心配していることは、事業仕分けで出された結論がそのまま実行されることになれば、日本における“学術・科学技術”の発展を大きく損ない、国家に多大な損失を与える取り返しのつかない内容となることである。
 そこで本学会は、年会初日である12月9日に緊急フォーラムを開催し、文部科学省(パネリストは研究振興局ライフサイエンス課長 石井康彦氏、研究振興局学術研究助成課 企画室長 山下恭徳氏)、新政府からもご出席をいただき(最終的に民主党からの出席者はなく、後藤 斎政務官のメッセージを石井課長が代読された.)、学会員との建設的な話し合いから事態を正常化させたいと強く願っている。科学者がどのように国家政策に関わって行くべきかを考える絶好の機会でもあり、健全な科学の発展のために科学者の取るべき行動についても議論をしたい。
 同フォーラムの司会進行は石野庶務幹事、アンケート結果の概要説明は篠原委員、パネリストとして、石井課長、山下企画室長、小原雄治第33回年会長、理事長の4名が壇上に上がる予定である。同フォーラムは、けっして文科省との対立の場でなく、会員との建設的な対話を含め、現在の混乱を収拾するとともに将来の新しい方向性を築くために、「文科省、政府と協調した新しい科学政策立案へ向けての制度作り」および「科学者から国民へ向けたメッセージ」の重要性を確認する場としたいことが岡田理事長より報告された。
 

2)第7回日本分子生物学会三菱化学奨励賞選考結果報告
田畑哲之賞選考委員長より、標記奨励賞候補として7件の応募があり(同7件のほか、取り下げ1件、返却1件あり)、委員会による審査・選考の結果、以下の2名が受賞者として決定したことが報告された。

   ○稲葉謙次(九州大学生体防御医学研究所 特任准教授)

    【研究題目】

    (和文)細胞品質管理に関わるタンパク質ジスルフィド結合形成・開裂因子の構造基盤の確立

    (英文)Structural basis of protein disulfide formation and cleavage factors involved in protein quality control in the cell

   ○小松雅明(東京都臨床医学総合研究所 副参事研究員)

    【研究題目】

    (和文)健康と病態における選択的オートファジーの先駆的研究

    (英文)In-depth analysis of selective autophagy in health and disease
 

3)各種学術賞、研究助成候補への学会推薦状況について
田畑賞推薦委員長より、2009年に本学会より推薦した各種学術賞について報告がなされた。引き続き、町田泰則研究助成選考委員長より、2009年の研究助成推薦状況と結果等について報告が行われた。
 

4)石野庶務幹事(大隅典子世話人代理)より、第10回(2010年)春季シンポジウムの開催概要の報告がなされた。

  ・テーマ「分子を語る、分子で語る」

  ・会 期:2010年6月7日(月)~8日(火)

  ・会 場:ホテル松島大観荘(宮城郡松島町)

  ・定 員:300名
 第10回春季シンポジウムは、第1回以来となるスクール形式(1泊2日)で開催する。学生やポスドクなど若手に多く参加してもらい、ともに学びながら活発な議論のできるシンポジウムとなるよう企画を進めている。プログラム内容は、基調講演2題(東大先端研センター 菅 裕明 氏、東北大 山本雅之 氏)とワークショップを予定している。前日の6月6日には、仙台市博物館にて市民公開講座を開催する。公開講座の講演は片桐秀樹 氏(東北大)と岡野栄之 氏(慶應大)に依頼している旨報告された。
 

5)小原雄治第32回年会長より配布資料に基づき準備状況の報告がなされた。一般演題投稿数は3741題(うちLate-breaking abstracts投稿は135題)、事前参加登録は6219名となり、順調に準備が進んでいる。学部学生(参加費無料)の事前登録が579名あった。経済状況を反映して、展示企業の小間数は直近の単独開催年会より減り441小間となり、バイオテクノロジーセミナー(ランチョンセミナー)も昨年(BMB2008)の15減で23枠となった。
 新しい試みであるITの積極活用(講演要旨集のオンライン化・同メニューは携帯電話にも対応)については、概ね予定どおりに進めることが出来た。オンライン要旨は11月20日(金)より利用を開始し、2010年3月末まで閲覧可能とした。要旨集の会期終了後の一般公開については要旨内容の充実を考慮して、今回、一般公開は見送ることとした旨報告があった。
 ポスター発表/討論においては、ディスカッサー制度(約400名のPIにディスカッサーを依頼)を導入し、「Meet the Symposists」企画など、議論できる機会を設けたことの報告がなされた。
 例年の年会に比べて海外演者招聘補助を充実させ、各シンポジウムには若手PIを中心とした複数の外国人演者を招聘した(シンポジウム54名、ワークショップ25名)。国際性の向上を目標に、要旨の英文執筆推奨を実施し、シンポジウムは要旨・講演ともに英語で統一し、一般演題においても英文執筆を推奨した結果、投稿された演題の英文執筆率は55.5%であった(BMB2008では14.6%)。
 

6)宮園浩平集会幹事(谷口維紹第33回年会長代理)より第33回(2010年)年会につき報告がなされた。

  ・名称:第33回日本分子生物学会年会・第83回日本生化学会大会 合同大会

  ・略称:BMB2010(Biochemistry and Molecular Biology 2010)

  ・会期:2010年12月7日(火)~10日(金)の4日間
(12月11日(土)に東京にて市民公開講座を開催予定)

  ・会場:神戸ポートアイランド(全21の講演会場+ポスター会場、展示会場)

  ・組織委員:
 第33回日本分子生物学会年会
  年 会 長 谷口維紹
  庶務幹事 宮園浩平
  幹事補佐 武田弘資、宮澤恵二
 第83回日本生化学会大会
  会  頭 田中啓二
  庶務幹事 水島 昇
  幹事補佐 石原直忠、反町洋之
 このほか全国の約20名の方にプログラム委員を委嘱中

  ・プログラム案
①プレナリーレクチャー
現役で活躍する比較的若手の研究者に講演いただく。海外演者・国内演者の2つのレクチャーを二会場(ポートピアホール、会議場メインホール)で各日同時開催とする。
②シンポジウム
4日間を通して最大72テーマのシンポジウムを開催する。年会長企画シンポジウム、プログラム委員企画シンポジウムを柱に、残った開催枠に公募採択企画を当てはめる。(* 後日、12月12日開催の第3回準備会議にて、会員より公募する企画はワークショップと位置付けることに変更.ただし内容によってシンポジウムとして採択する可能性もある.)
③一般演題
ポスター発表および一般口頭発表演題として7月に募集する。
④市民公開講座
「病気の原因を見つけその克服を目指す生命科学(仮)」をテーマとして、年会翌日の12月11日(土)午後に東京で開催する。
⑤その他のプログラム
マスターズレクチャーやフォーラムを企画予定。詳細は今後検討する。
・その他
要旨集の作成形態(印刷冊子、CD-ROM、オンライン等)は今後検討する。会計体制は従来を踏襲することとし、両学会の案分は従来通り、分生6:生化4とすることとした。
 

7)永田恭介理事(花岡文雄第34回年会長代理)より第34回(2010年)年会につき報告がなされた。

  ・会期:2011年12月13日(火)~16日(金)の4日間

  ・会場:パシフィコ横浜

  ・年会長:花岡文雄

  ・組織委員:永田恭介(委員長)、菅澤 薫、三浦正幸、柳澤 純
今年の第32回年会の開催実績をふまえ、魅力ある年会となるように、今後、学術企画を検討していきたい。来年1~2月に、第1回準備会議を開催し、具体的な準備作業に入る予定である旨、永田理事より報告された。
 

8)上村 匡編集幹事より学会誌『Genes to Cells』の編集報告が行われた。

  ・収支報告について
出版契約の改定後、初めてとなる収支報告(2008年)がなされ、学会誌発行に掛かる学会の収支が大幅に改善された。約2,400万円の出版利益を本学会と出版社とで1,200万円ずつ折半した。編集経費(GTC編集事務局に関わる費用や編集長への謝金)についても、800万円を上限に立替精算が可能となったことが収支改善に寄与している(オンライン費用は従来と同様、年額435万円を出版社に支払った)。

  ・編集体制等について
新たに設置された「Genes to Cells将来計画ワーキンググループ」の第1回会合を3月31日に名古屋で開催し、著者負担による論文オープンアクセスの選択肢を設けること、投稿規定の見直しを図ること、編集委員の大幅な入れ替えを行うことなどを活発に議論した。その後、出版社とも協議を重ね、出版から半年を待つことなくオープンアクセスに設定可能な「Online Open」を9月中旬に導入した。また、投稿規定の改定および以下のとおりに編集委員の追加を行った。
○新編集委員(2009年6月~)50音順、敬称略
小室一成、塩見春彦、篠原 彰、白川昌宏、白髭克彦、濡木 理、平岡 泰、宮脇敦史
○新編集委員(2010年1月~)50音順、敬称略
飯野雄一、上田泰己、上村 匡、影山龍一郎、倉田のり、五島剛太、後藤由季子、小林武彦、近藤 滋、佐谷秀行、杉本亜砂子、杉本慶子、須田年生、多田 高、永田和宏、永田恭介、原田慶恵、本間道夫、正井久雄、松崎文雄、松本邦弘、三浦正幸、米田悦啓

 ・引き続き、配付資料に基づき、Online投稿数一覧、各年月別投稿数、国別Accept & Reject率、購読地域(国)別の購読数(購読形態別)につき、詳細説明がなされた。投稿減少の状況が続いており、理事各位には是非とも協力をお願いしたい。レビューについては見開き4ページ程度でよいので、是非とも積極的な投稿をお願いしたいとの依頼がなされた。

 ・Genes to Cells将来計画WGから賞推薦委員会への検討依頼事項2点について
①本年4月、GtC将来計画WGより賞推薦委員会へ「分子生物学会三菱化学奨励賞の受賞者には、受賞対象となった研究成果を中心に〝総説〝にまとめてもらい、必ず、Genes to Cellsに発表してもらうこととする。賞推薦委員会の賛同を得られれば、募集要項にその旨を盛り込んでほしい。」との検討依頼がなされた。賞推薦委員会で検討した結果、「分子生物学会三菱化学奨励賞受賞者にGenes to Cells誌への総説発表を義務づけることに関して特に異論はない。」との結論になったことが田畑賞委員長より報告された。本件については、審議事項5.にて、募集要項(規定兼)変更を確認することとなった。
②上記同時期にGtC将来計画WGから賞推推薦委員会あてに「論文投稿、特に総説の投稿を促すための2つめの方策とて、分子生物学会が推薦する各種の(各財団の)学術賞受賞候補の推薦に関して、過去(一定期間に)、Genes to Cells に論文あるいは総説を発表している研究者を対象(条件)としたらどうか。」との提案がなされた。賞推薦委員会で検討し(2009.5)、「Genes to Cells誌への論文掲載を賞推薦の条件とすることについては、各賞が個々に異なる背景をもつことから、学会推薦に際して今回のような一律の最低基準を設けることは適切ではない。」との意見が多数を占めたことが田畑賞委員長より報告された。本理事会においても上記賞推薦委員会の考え方を支持することが確認された。
ちなみに、研究助成(学会推薦)に関しては、すでに下記ルールが運用されており、会報やHPで広報されている。
○研究助成(学会推薦)に関する留意事項
『学会推薦した会員が財団等の研究助成対象者となった場合には、その研究成果を将来、学会誌「Genes to Cells」に論文あるいは総説として発表して頂くように要請する。』
------ 参考 -----
『 学会推薦 / 研究助成決定者への学会誌投稿に関する研究助成選考委員会申し合わせ 』
1.学会推薦した会員が財団等の研究助成対象者となった場合には、その研究成果を将来学会誌「Genes to Cells」に論文あるいは総説として発表して頂くように要請する。
2.上記は、要請であって強制力はないが、学会として可能な限り協力頂けるよう、対象者に理解を求めるものとする。
3.会報(研究助成一覧の下)とホームページ(該当コンテンツ)に、上記1.を掲載し広報に努めることとする。
2009年6月10日、第16期研究助成選考委員会において、上記を日本分子生物学会研 究助成選考委員会の申し合わせ事項とした。同委員会(委員長)の任期交代期には、学会事務局が新委員長にその内容を申し送ることとする。
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9)杉本亜砂子男女共同参画委員長より、年会初日の12月9日、ランチョンワークショップ「女性リーダーが増えるには何が必要か~~「制度改革」だけでは変わらない現状をふまえて~~」が開催されるので、理事各位においてもぜひ参加してほしいとの要請がなされた。また、同委員会において、シンポジウムでの発表者やオーガナイザーの女性の比率は学会員全体の女性比率と比べて低いのではないだろうか.との疑問が提示され、今年初めて、年会発表者の演題カテゴリーごとの属性調査(男女比、年齢層分布、男女別職階分布)を行ったことが報告され、その属性統計資料が配付された。同資料は会場内の複数の場所で配付し、さらに広報ポスターが掲示される予定であることが報告された。同属性調査については経年的にデータを取ることが重要であり、来年以降も年会組織委員会に協力(Web投稿画面に属性調査のための項目を設置する必要がある)を求めることとしたい。
 

10)水島 昇理事(中山敬一若手教育問題ワーキンググループ座長代理)より、年会2日目の12月10日、今年はランチョンセミナー形式で、「若手教育ランチョンセミナー2009 あなたのデータは大丈夫?正しい知識があなたを救う!」が開催されることが報告された。第一部では4名の演者による、より具体的な方法論についてのレクチャーを行う。第二部は、WG委員全員がパネリストとなり、参加者の意見をそのままリアルタイムで表示できるレスポンスシステム(クリッカーを先着約100名に配付予定)を導入して、相互討論ができる企画となっていることが報告された。
 

11)学術事業企画委員会報告(学会創立30周年記念出版事業)
岡田理事長からの委嘱を受けて、本年2月、学術事業企画委員会が設置されたことが永田理事から報告された。3月と8月に委員会を開催しており、その他、必要に応じてメール会議を行い、出版企画作業を進めている(第3回委員会を12月10日開催予定)。委員会構成は次のとおりである。
学術事業企画委員会:永田恭介(委員長)、伊藤耕一、稲田利文、入江賢児、塩見春彦、島本 功、菅澤 薫、中尾光善、林 茂生、三浦正幸、渡邊嘉典
 委員会で検討した初期段階においては、分子生物学会30周年として出版する意義(分子生物学の根本、研究の歴史とその意義、自分たちの未来を語る)を盛り込んだ形で、ニーズや目的等が異なる年代(読者対象)別シリーズ(4冊)にしたらどうかとの企画が練られた。年代別シリーズごとのコンセプト(ストーリー、コンテンツ、メッセージ)をつめていき、企画原案を作成した上で、6~7月にかけて、委員長と事務局で出版社各社と面談を行った。9月以降、出版社との交渉を重ねた結果、4巻すべてを1つの出版社から発行することには、出版社側の営業企画・採算上も難しい点があり、最終的に以下の2社に分けての4巻の刊行を目指すこととなった。
○東京化学同人との出版企画(3シリーズ)
 刊行の趣旨:分子生物学会30周年を記念し、本会の歴史、業績、社会貢献などを周知するとともに、若い人々の生命科学に対する興味を喚起して、今後の我が国の分子生物学、生命科学の発展に資するため、以下3冊(A.B.C.)の出版を企画。
A. “分子生物学を築いた15人”(仮称) 対象は大学生、大学院生、研究者。歴代理事長クラスの方々へのインタビューから原稿を起こす。2010年12月の刊行を目指す。
B. “生命科学への招待”(仮称) 生命系諸学科をめざす高校~大学1、2年
を対象とした教科書。2011年9月の刊行を目指す。
C. “なぜなぜ生物学”(仮称) 対象は中高生、大学生、一般向けの読み物。2010年12月の刊行を目指す。
以上のA.B.C.はそれぞれ独立の単行本とするが、共通のロゴを使用するなどして、3冊が分子生物学会の出版事業であることがわかるようにする予定である。本の体裁・サイズ・コンテンツの中身と執筆者、等々につき作業を進めていく予定である旨永田委員長より説明がなされた。企画内容について出席者より感想や意見が出され、原案どおり、同委員会にて出版企画を進めていくことが確認された。
○学習研究社とのタイアップ出版企画「まんがでよくわかるシリーズ」について
 上記A.B.C.に続く対象年代別の企画として、学研(交渉窓口:学研メディカル秀潤社)とのタイアップ企画となる、小学生を対象とした「まんがでよくわかるシリーズ“生命のひみつ”(仮題)」について、永田委員長より詳細報告がなされた。この学研のシリーズはすでに46タイトルが出版されており、全国約23500の小学校、および3000の公立図書館を通して、子供たちにダイレクトに伝えられる啓発図書となっている。ただし本企画を実行に移すには、スポンサーを募り3000万円の協賛金を集める必要がある。その対応として、特定の企業のみに頼るのではなく、コンソーシアム方式(仮称:日本分子生物学会 創立30周年記念出版事業・支援企業グループ)で、1口50万円で寄付金を募る方法案と趣意書案が配付され、詳細説明がなされた。同時に、永田委員長からは昨今の経済状況のこともあり、来年、再来年の年会収支(企業展示、広告、ランチョンセミナー等)に影響が出ることは避けなければならない.との補足説明も行われた。
 検討の結果、本企画を実施に移すに際しては、慎重な判断が求められることが確認され、同まんがシリーズ企画につき、当面、1年ほど実行を保留にしたらどうかとの意見が多数を占めることとなった。この結果を受けて、明日開催予定の学術事業企画委員会で再検討することとなった(最終的に委員会においても1年見送りとすることが確認された)。
 

12)将来計画検討委員会報告
 昨年12月開催の理事会において「学会のあり方(学会の将来像)」についての議論があり、学会の将来像についてきちんと議論すべき時期に来ている.との認識の確認がなされていた。その後、岡田理事長からの委嘱を受けて、将来計画検討委員会が設置されたことが山本正幸理事より報告された。委員会構成は次のとおりである。
将来計画検討委員会:山本正幸(委員長)、荒木弘之、篠原 彰、杉本亜砂子、 水島 昇、宮園浩平 (同会合には原則、オブザーバとして、岡田理事長と石野庶務幹事も参加)
9月13日に第1回委員会を開催し、第2回会合は11月21日、そして本日、理事会開催前の11:30~14:00に第3回会合を行ったことが山本委員長より報告された。第2回会合では、行政刷新会議の事業仕分け評価への理事会対応の案件が重なり、本委員会が実質的に執行部を補佐する形をとることになったことが報告された。
本委員会に課せられた検討課題は次のとおりである。
①基礎科学の現状認識とそれに対する学会の役割について
②国際対応について
③社会との関わり
④男女共同参画の推進(女性理事をいかに増やすか)
⑤理事選挙投票率を高める問題
⑥年会のあり方(開催スタイル、年会収支の確認、年会長と理事会との責任分担、等々)
3回の会合による検討の結果、山本将来計画検討委員長より、以下の中間報告(提案を含む)が行われた。
・①および②の基礎科学の現状認識とそれに対する学会の役割について/国際対応について:委員会では、春季シンポジウムのあり方・国際化について、様々な視点からの検討を行い、その結果、同春季シンポジウムの国際化を提案したい.との説明がなされた。本件については、審議事項8.にて、討議することとなった。
・③社会との関わり:高校への出前授業等を調査しており、学会として、高校との連携や協力ができないものか検討中である。
・④男女共同参画の推進(女性理事をいかに増やすか):委員会で検討した「細則(役員の選出)ならびに選挙管理委員会内規の変更(案)」を、審議事項6.として提案したい。
・⑤理事選挙投票率を高める問題:HPやメール配信利用により積極的な選挙公報を行うことが確認されている。
・⑥年会のあり方(開催スタイル、年会収支、年会長と理事会との責任分担・・・他学会との合同開催の問題の全責任を年会長一任のままとしていてよいのか):本件については、委員会における検討状況の報告も含め、審議事項9.にて検討することとなった。
 検討課題については、しかるべき時期までに委員会答申が出せるように活動を行っていく予定である旨、山本委員長より報告された。
 

13)その他

  ・『蛋白質核酸酵素(PNE)』について
 山本理事(PNE編集幹事)よりPNE編集委員会の議事録(部分版)が配布され、PNE休刊の経緯などについて報告がなされた。復刊を考えた場合、PNE編集委員会としては、紙媒体ではなく、オンラインジャーナルとしての復刊が現実的であると考えている旨報告がなされた。
 学会の規模、財政的状況、自前の和文誌を持たないこと、また現PNE編集委員が全員、分子生物学会に関係していることを考え合わせると、PNE編集委員会としては、分子生物学会にPNEオンラインジャーナル化のサポートを検討してもらうのがよいとの結論に至った。
 しかし、現在までに発行元である共立出版の態度がはっきりしないため、本理事会においては、分子生物学会のサポートの可能性について協議してほしい.との依頼が山本理事より提出された。
 自由討論に入り、様々な意見が出された。PNEがカバーしてきた研究分野は非常に幅広く、復刊の意義がある.社会的意味があるのならば500円程度の会費値上げも受け入れられる.この時期に和文誌(総合レビュー誌)を保有することに意味があるだろうか.オンラインであれば非会員は課金にし、Web広告の可能性もある.等々、活発な意見交換がなされた。
 会員にとってどのようなメリットがあるか、コストはどの程度かかるか等につき、PNE編集委員会でさらなる検討を行ってもらい、同時に出版社の状況を見ながら、学会として迅速に対応できるようにしておくこととなった。1月以降、新たな動きになった場合、山本理事から岡田理事長あてに報告をもらい、メール会議等で理事会対応していくことが確認された。

  ・通常総会/議事進行と報告担当者の確認
 石野庶務幹事より、第32回通常総会資料についての説明がなされ、総会当日の議事進行ならびに報告担当者の確認がなされた。
 

2.審議事項

1)2009年度(平成21年度)収支決算承認の件
 塩見春彦会計幹事欠席のため、会計幹事代理として事務局(福田 博)より2009年度(平成21年度)会計の収支について説明がなされた。黒字決算となったポイントは、①年会会計(BMB2008決算の分子生物学会負担分の収支繰入)と②Genes to Cellsに関する大幅な収支の改善.の2点にあり、個々の事業の収支について詳細説明がなされた。春季シンポジウムについては、収入約153万円に対し支出697万円で544万円の持ち出しではあるが、従来も年会で剰余金を出して会計全体の中で春季シンポジウム費用を捻出してきているので、想定内の収支状況である。
 本決算において、法人として初めて消費税152万円を納めたこと、その他の税務処理については、顧問契約(税務顧問を含む)を交わしている税務専門家の指示のもと、収益事業部分の法人確定申告も行ったことが報告された。本決算は、10月30日に宮城秀敏公認会計士の監査を受け、配付資料のとおりに監査報告書が提示されている。
 財務諸表一式の説明がなされた後に、小川智子監事より、11月16日、吉川 寛監事とともに学会事務所にて会計監査会を実施し、金融機関の残高証明書等を一式確認、21年度決算を認めたことの報告がなされた。
 審議の結果、本決算は理事会で承認され、第32回通常総会に諮られることとなった。
 

2)2010年度(平成22年度)収支予算ならびに事業計画承認の件
 塩見会計幹事の代理として事務局より2010年度(平成22年度)の収支予算案、事業計画につき説明が行われた。
 審議の結果、同収支予算ならびに事業計画は理事会で承認され、第32回通常総会に諮られることとなった。
 

3)定款変更の件
 岡田理事長より、本議案に関する経緯(平成20年12月、都の条例(特定非営利活動促進法施行条例)が改正され、総会における欠席者の表決権(委任状)につき電磁的方法が認められるようになった.)につき報告がなされた。法人移行後は毎年、総会成立のための委任状取りまとめ作業に苦慮しており、今後は、表決権(委任状)にEメールが利用できるように、以下の定款変更が提案された。
 審議の結果、定款変更(第24条第3項、第28条第2項、第29条第1項)は理事会で承認され、第32回通常総会に諮られることとなった。[*来年度の総会から適用予定]

■電磁的方法の追加について

条文 (変更後の案) (現行の定款)
第24条
第3項
3 総会を招集する場合には、会議の日時、場所、目的及び審議事項を記載した書面又は電磁的方法により、開催の日の少なくとも5日前までに通知しなければならない。 3 総会を招集する場合には、会議の日時、場所、目的及び審議事項を記載した書面により、開催の日の少なくとも5日前までに通知しなければならない。
第28条
第2項
2 やむを得ない理由により総会に出席できない正会員及び名誉会員は、あらかじめ通知された事項について、書面又は電磁的方法をもって表決し、又は他の正会員及び名誉会員を代理人として表決を委任することができる。 2 やむを得ない理由により総会に出席できない正会員及び名誉会員は、あらかじめ通知された事項について、書面をもって表決し、又は他の正会員及び名誉会員を代理人として表決を委任することができる。
第29条
第1項
総会の議事については、次の事項を記載した議事録を作成しなければならない。
(1) 日時及び場所
(2) 正会員及び名誉会員総数及び出席者数(書面又は電磁的方法による表決者若しくは表決委任者がある場合にあっては、その数を付記すること。)
(3) 審議事項
(4) 議事の経過の概要及び議決の結果
(5) 議事録署名人の選任に関する事項
総会の議事については、次の事項を記載した議事録を作成しなければならない
(1) 日時及び場所
(2) 正会員及び名誉会員総数及び出席者数(書面表決者又は表決委任者がある場合にあっては、その数を付記すること。)
(3) 審議事項
(4) 議事の経過の概要及び議決の結果
(5) 議事録署名人の選任に関する事項
附則 この定款は、東京都より定款変更認証を受けた平成  年  月  日から施行する。  

4)細則変更の件(副理事長選任に関する条文の整備・一部修正)
岡田理事長より細則第4条2)につき、以下のとおりに細則変更が提案され、承認された。
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○特定非営利活動法人 日本分子生物学会 細則
第2章 役員の選出
第4条
新理事長が副理事長の設置を希望した場合、次の各号に掲げる方法により、新副理事長2人以内を選任することができる。
1)新理事長は新理事を招集し、新理事の互選により新副理事長を選出する。ただし、新理事長は投票を行うより前に、選任する新副理事長の定数を明確にするものとする。
2)投票は1人1票、無記名による単記とし、得票者中の上位の者を新副理事長として選任する。このとき、同位の場合には抽選により決定する。
3)副理事長は理事を兼ねるものとする。

(修正案)
2)投票は、設置される副理事長の人数に相当する投票を無記名で行うこととし、得票者中の上位の者を新副理事長として選任する。このとき、同位の場合には抽選により決定する。
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5)日本分子生物学会三菱化学奨励賞・募集要項(規定兼)変更の件
石野庶務幹事より、報告事項8)①の討議を受け、標記賞の募集要項に、下記のとおり、8.を追加することが説明され、本理事会において承認された。
8. 受賞業績の会誌掲載
受賞者は、受賞対象となった研究成果を中心に総説にまとめて、学会誌Genes to Cellsに発表するものとする。
 

6)細則(役員の選出)ならびに選挙管理委員会内規変更の件
(女性理事をいかに増やすか.女性理事枠の設置/運用)
岡田理事長より、報告事項12)④ 将来計画検討委員会からの提案に至る経緯につき説明がなされ、続いて、山本将来計画検討委員長からも委員会での検討内容報告がなされた。審議の結果、提案を一部修正のうえ、細則第2条に条文5)を追加、改正することが承認された。
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○特定非営利活動法人 日本分子生物学会 細則
第2章 役員の選出
 第2条に、下記5)を追加、改正。
第2条
理事は、次の各号に掲げる方法により選出する。
1)理事長は、正会員の中から3名を選出し、選挙管理委員を委嘱する。選挙管理委員により構成する選挙管理委員会は選挙事務を行う。
2)投票は1人1票、無記名による10名連記とし、別に定める方法により投票を行う。
3)得票者中の上位の者より順に30名を選出する。ただし、同数得票者については選挙要項に従い順位を定める。
4)理事は3期連続して選出されることはできない。この制限に抵触する者の氏名は選挙要項に公告される。
5)時限特別措置(17期-19期までの6年程度)として、理事定員30名の10%(3名)の女性理事枠を設ける。選挙により3名の女性当選者が選出されなかった場合は、女性理事が最低3名になるまで調整を行う。ただし、理事定員30名に変更はないものとする。
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同時に、「理事選挙に関する選挙管理委員会内規」にも同内容を追加事項(時限特別措置)として付記することとなった。追加事項の文面は、将来計画検討委員会からの提案(文面)のまま、追加、改正された。
また、次回理事選挙における理事候補者参考リストの作成に当たっては、女性候補者を積極的にもりこむことが確認された。
 

7)Web版会員名簿(会員システム)について(公開項目設定の検討)
理事会メンバーから検討要請があった標記案件の討議に入る前に、先ず、石野庶務幹事より、会員管理システムの機能と検討事項につき、詳細説明がなされた。
【会員管理システムの機能】
1.登録情報確認・変更・・・学会に登録されている本人情報を確認・変更できる。
2.公開情報設定・・・会員検索で公開する本人情報の項目を設定できる。
(名前、会員番号、会員種別は、非公開の設定ができない)
3.パスワード変更・・会員管理システムにアクセスするためのパスワードを変更できる。
4.会員検索・閲覧・・・学会に所属している会員の検索ができる。
(会員が「非公開」設定にしている項目は、検索・閲覧できない)
【検討事項】
●Web会員システムに移行した際の公開項目の初期設定は、・名前・名前カナ・名前ローマ字・会員番号・会員種別(正会員or学生会員)のみであった。さらにその後、会員からのアクセスが少なく(公開項目の設定をされる方が非常に少ない)、本来のWeb会員名簿が機能していない状況がある。
●5000名を越える場合、個人情報保護法の対象となる事業所(団体)扱いとなり、また2007年当時は、個人情報保護法への対応に社会全体が慎重であったため(システム会社のアドバイスもあり)慎重に立ち上げた経緯がある。・・・初期設定(所属の名称、所在地、電話、FAX、Eメール)は可能な限り公開.からスタートしたのではなく → 原則、各項目・非公開からスタートし、本人が確認のうえ公開項目を設定してもらう方法をとった。
●ただし、あえて非公開の項目を多く設定している会員も見受けられる。(PIでも多数おられる)
●公開項目(例:たとえば所属機関の名称、所在地、電話、FAX、Eメール)の初期設定を原則公開の方針に切り替える場合は、たとえば会報(2010年2月号)とHPで事前広報を行い、その後、適当な期日(例:3月10日)で所属データを一斉公開に切り替え、公開されたくない方は、再度、個々に非公開設定をしてもらう.といった方法が考えられる。
審議の結果、理事会の責任のもとに、2010年3月半ばに、Web版会員名簿(会員システム)の公開項目設定の運用ルールを変更し、初期設定で、○所属名称・部署 ○FAX ○Eメール の3項目を公開設定とすることが決定された。事前に会員あてに会報2月号と学会HPにて、上記内容を広報・周知することが確認された。
 

8)第11回(2011年)春季シンポジウムについて
山本理事より、報告事項12)①② とも関連して、将来計画検討委員会での検討内容につき報告がなされた。
3度の委員会会合において、春季シンポジウムのあり方(国際化)について、様々な視点から検討を試みた。2001年当時の第1回春季シンポジウム開催に至るまでの経緯の確認も行っているが、来年で第10回目となり、一つの節目でもあるので、春季シンポジウムを国際シンポジウムにしたらどうかとの提案がなされた。引き続き、篠原理事(将来計画検討委員兼)からも追加説明がなされ、例えば、テーマを決めて地方で開催する.公募形式にする.などの方法案につき説明がなされた。国際化と地方の活性化をどのように両立していくか、また、国際シンポジウムにした場合の準備補助金の増額(現行、約500~600万円の持ち出しであるが、国際シンポジウムにした場合は800~1000万円を手当てする必要があるだろう)、企画を公募制にした際には、企画を選定する選考委員会も必要になってくる.等の種々の委員会内意見が報告された。
審議に入り、従来形式の春季シンポジウム(前日の市民公開講座の開催も含めて)が果たしてきた役割は大きく、その目的は今でも非常に重要であるとの意見も多く出された。会員の少ない地域こそを春季シンポジウム開催候補地として大事にしてほしい.との意見も出された。
活発な討論の結果、今の時点ですぐに公募制(国際シンポジウム化)に切り替えるのではなく、第一段階としては、地方の活性化・啓発といったスタンスを保ちつつ、国際性も高めていく.といった方針で、2011年春季シンポジウム世話人を選出していくこととなった。その人選は岡田理事長に一任された。
 

9)第35回(2012年)年会について
第35回(2012年)年会の開催地としては、昨年12月の理事会で福岡開催(会場予約済)が決定しているが、年会長については調整中である旨、岡田理事長より報告がなされた。また、2012年の年会開催に際して、過日、生化学会より合同開催申し入れの理事長あて手紙を受理したことが報告された。
年会長をどなたに依頼するかといった年次の個別の案件とは別に、ここ数年に亘り議論されてきた〝年会のあり方〟については、将来計画検討委員会にその検討をお願いしているところである。
引き続き、山本理事より将来計画検討委員会における検討作業の途中経過につき報告が行われた。合同開催になった場合のメリット・デメリット.年会は誰のためにあるのか!若手研究者・学生のためにあることを最重要に考えたい.等の意見が出されているが、もう少し時間をかけて、今年の第32回年会アンケート結果をも参考にし、来年(2010年)の定例理事会までに、委員会としての答申をまとめたいとの報告がなされ、その後、自由討論に入った。
2012年の福岡年会をどのようにすべきかについては、その対応として(経過措置として)、「2012年の福岡年会については、年会長にすべてを一任するのではなく、理事会執行部がサポートする.」といった方針が決定され、年会長の調整を含め、岡田理事長に一任されることとなった。
 

10)『Genes to Cells』次期編集長について
上村編集幹事より次期編集長についてはまだ決定に至っていないことが報告された。Genes to Cells将来計画ワーキンググループとも相談しながら、至急、候補者調整を進めている状況である。次期編集長が決定される際には、併せて副編集長も同時に決定できるような考えもあることが報告された。
 

上記、第16期第3回理事会の議決および確認事項を明確にするため、この議事録を作成し、議事録署名人はここに記名押印する。

2009年12月8日

特定非営利活動法人 日本分子生物学会 第16期第3回理事会

議長岡 田 清 孝
議事録署名人水 島   昇
議事録署名人渡 邊 嘉 典